●RORO貨物船「SCコネクター」 世界初の可倒式ローター・セイルを装備
フィンランドのエンジニアリング企業ノルスパワーとノルウェーの海運会社シー・カーゴは1月20日,同社の北海航路RORO貨物船SCコネクターSC Connector(12,251総トン,8,843重量トン,1997年竣工)に,ノルスパワー社が新たに開発した可倒式ローター・セイルを2基設置したと発表した。日本語で「円筒帆」と呼ばれるこの装置は,回転しながら進む円柱に進行方向と直角に流れが当たると,円柱が進行方向にに力を受ける「マグヌス効果」を利用したもので,ドイツ人技術者フレットナーが1924年に発明した。高さ35メートルもの大型構造物で,大洋航行時に良好な風況下では,帆の推進力だけで通常航行も可能という。ただ本船の運航ルートは複数の橋や送電線をくぐる必要があり,これらを回避するため傾倒機能を持たせた。ローター・セイルの装備により,燃料消費量,燃料コスト,CO2排出量を最大25パーセント削減する効果があるという。
(SEA CARGO/NORSEPOWER)