■令和6年版防衛白書について
去る7月12日,令和6年(2024年)版防衛白書が公表された。
本年版の白書では,表紙のコンセプトが「刀鍛冶」となり,抑止力の強化のための防衛省・自衛隊のたゆまぬ努力を象徴するものとした。また,巻頭の特集カラーページに「白書でひも解く自衛隊発足70年の歩み」と題し,時代ごとの防衛力整備計画や国内外情勢と防衛白書の来歴をまとめている。
本文はそれぞれ国際情勢,安保三文書,日本の防衛体制,防衛生産や技術・人的基盤強化と演習について扱った4部制で,中露や北朝鮮の動向,統合作戦司令部や国民保護,日米同盟強化や多国間での防衛交流,装備品移転などが注目事項として取り上げられ,白書では初めて国際情勢や政策背景に関して防衛研究所の研究者がコラム形式で解説を行なっている。なお,開発中の12式地対艦誘導弾能力向上型(試作品)とイージス搭載艦の完成予想CGが掲載され,話題を集めた。