■令和7年度防衛関係予算の政府案が閣議決定

 12月27日,政府は令和7年度(2025年度)防衛関係費の予算案を閣議決定した。

 防衛力整備計画の3年目となる予算は8兆4,748億円で,対前年度伸び率は9.7パーセントであった。また,これとは別枠にSACO(沖縄に関する特別行動委員会)米軍再編関係経費として2,257億円が計上されており,これらを合わせた総額では8兆7,005億円で,過去最高額である。

 7年度新たに整備される海上自衛隊の艦艇の内訳は以下のとおり。

 ▷4,800トン型護衛艦(FFM) 3隻(3,148億円)

 ▷3,000トン型潜水艦(SS) 1隻(1,140億円)

 4,800トン型護衛艦はいわゆる新型FFM(改もがみ型)の3~5番艦で,3,000トン型潜水艦は“たいげい”型8番艦である。

 また,7年度新たに取得する海上自衛隊の航空機の内訳は以下のとおり。

 ▷P-1哨戒機 2機(848億円)

 ▷SH-60L哨戒ヘリコプター 2機(293億円)

 ▷US-2救難飛行艇 1機(218億円)

 このほか,滞空型UAV(MQ-9Bシーガーディアン)の取得に415億円,12式地対艦誘導弾能力向上型(艦発型)の取得に168億円,潜水艦発射型誘導弾の取得に30億円,トマホーク発射機能の艦艇への付加に18億円,衛星コンステレーションの構築に2,832億円,イージス・システム搭載艦の整備に伴う関連経費に865億円,イージス艦に関する調査研究に20億円,FCネットワークの整備に8億円,艦載型UAV(6機,小型,V-BAT)の取得に40億円,F-35A戦闘機の取得に1,387億円(9機),F-35B戦闘機の取得に665億円(3機),艦載用レーザーシステムの研究に183億円,中型級船舶の取得に80億円(1隻),小型級船舶の取得に64億円(1隻),機動舟艇の取得に58億円(1隻),民間輸送力活用事業に396億円(PFI船舶4隻の確保),呉地区における多機能な複合防衛拠点の整備に5億円,水中発射型垂直発射装置の研究に297億円,長期運用型UUVの研究に14億円などが計上された。

 なお,令和7年度に,海上自衛隊は「水上艦隊(仮称)」を新編するが,その司令部の所在地は,水上艦隊司令部および第1水上戦群司令部が横須賀,第2水上戦群司令部が呉,第3水上戦群司令部が舞鶴,水陸両用戦機雷戦群司令部が佐世保,哨戒防備群が横須賀になる予定である。また,同じく新編される「情報作戦集団(仮称)」について,情報作戦集団司令部は市ヶ谷,作戦情報群司令部は横須賀,サイバー防護群司令部は市ヶ谷となる予定。