■知床岬沖の観光船沈没事故に航空機と艦艇を派遣
4月23日午後1時15分頃,北海道知床半島沖で,乗員・乗客26名が乗船した観光船KAZU I(カズワン,19総トン)から第1管区海上保安本部に,「船が沈みかかっている」との通報があった。
これを受けて,同日午後7時40分,1管本部長から航空自衛隊第2航空団司令に,要救助者の捜索を求める災害派遣要請が行なわれ,陸海空自衛隊は固定翼機とヘリコプターによる捜索活動を開始し,現地対策本部などに連絡員を派遣した。さらにその後,護衛艦“せんだい”,掃海艇“いずしま”,掃海艦“ひらど”が現場周辺海域に派遣され,捜索に加わった。
遭難した観光船はGMDSS(海上における遭難および安全の世界的制度)の対象外であったため,救難信号を出す機器等を装備しておらず,正確な遭難位置の特定は困難を極めたが,同29日に“いずしま”が水深約120メートルの海底に沈む観光船を確認した。5月11日現在,乗客14名の死亡が確認され,12名が行方不明となっている。