■空自F-15J能力向上型へのLRASM搭載中止へ

 航空自衛隊は現大綱・中期防において,201機保有するF-15戦闘機のうち,近代化に適さない99機をF-35A/B戦闘機に代替し,残る102機のうち約70機を能力向上型として近代化する計画だが,8月5日,経費高騰を理由にその一部を変更することを公表した。

 当初,空自はF-15能力向上型において,電子戦装置などのアビオニクスの性能向上と,2種類の長射程ミサイル(JASSM, LRASM,いずれも射程約900キロ)の搭載を計画していた。しかしながら改修コストの高騰を受け, LRASMの搭載を諦め,改修については防空戦闘機としての性能向上を主目的とすることとした。

 JASSMの発射機能は付与されるものの,あくまで副次的な能力に留まり,ロング・レンジでの対地/対艦攻撃能力はF-35A搭載のJSM(射程約500キロ)とF-2戦闘機などへの搭載が見込まれる12式SSM能力向上型が主に対応することになる。