■SH-60K墜落事故報告書を公表

 7月9日,海上自衛隊は,今年4月20日午後10時33分頃に伊豆諸島東方海域で,2機のSH-60K哨戒ヘリコプター(16号機護衛艦“はぐろ”搭載,43号機護衛艦“きりさめ”搭載)が衝突・墜落した事故(本誌第1021集本欄参照)の調査報告書を公表した。

 事故当時,現場付近では3機の哨戒ヘリコプター(13号機,43号機,16号機)が行動中で,このうちの2機(13号機,43号機)は護衛艦“すずなみ”艦長の指揮下で,残る1機(16号機)は護衛艦“いせ”に乗艦した第4護衛隊群司令の指揮下で行動していた。さらに13号機と43号機は僚機間リンクにより連接されていたが,衝突した16号機と43号機は無線(ボイス)のみでつながっていた。

 報告書は事故の原因を,①見張り要領不適切,②複雑な作戦環境下における高度管理不十分と結論付け,事故機内での見張りが不十分で,指揮官(第4護衛隊群司令,“すずなみ”艦長)同士の間で情報共有が十分にできておらず,衝突を防ぐための各機への高度の指示などもなかったとしている。