●「MEGRI 2040」プロジェクト「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」成功
先に成功した2件に続き「MEGRI 2040」プロジェクトの「内航コンテナ船とカーフェリーに拠る無人化技術実証実験」(商船三井/井本商運など8社)が,1月24~25日に実施され,成功裏に終了した。実運航中の内航コンテナ船“みかげ”を使用し,定期航路の敦賀~境間約270キロで,離桟・自動避航・着桟までの一連作業を船員による操船なしで行なった。他船検出センサーとしてAIS(船舶自動識別装置)とレーダーに加え,可視光カメラ,赤外線カメラを搭載,AI学習による他船検出システムを開発。検出した他船情報に基づく衝突回避自律操船システムも開発運用した。営業コンテナ船による無人運航の実証は世界で初めて。さらに係留索をたぐりよせるヒービング・ラインのドローン移送作業を行なって,着岸時の船員負担を軽減。陸上監視のためのAR(拡張現実)技術を用いた船上映像と各種情報を重複表示するシステムも使用した。
続いて2月6~7日,システムの汎用性向上のため,大型カーフェリー“さんふらわあ しれとこ”による無人運航実験を苫小牧~大洗間で実施した。世界で実施された無人運航の中でも最長距離の約750キロを,最長となる約18時間かけ,昼夜を跨いで航行した。開発要素である「自動離着桟技術」「自動避航システム」および「物標視認画像処理・測距技術」を長時間航海で運用し,正常に機能することを確認した。
(商船三井/井本商運/日本財団)