●コロナ余波─ベテラン客船スクラップへ
新型コロナウイルスの影響を受けた船隊規模縮小や倒産に伴い,一時代を築いたベテラン客船の解体が伝えられている。米カーニバル・クルーズ・ライン(CCL)のカーニバル・ファンタジーCarnival Fantasy(70,367総トン,船客定員2,604人,1990年竣工)が7月29日にトルコのアリアガに到着。8月3日にはカーニバル・インスピレーションCarnival Inspiration(70,367総トン,船客定員2,594人,1996年竣工)も到着し,2隻は解体,リサイクルされる。アリアガには6月に倒産したスペインのプルマントゥールのソブリンSovereign(73,529総トン,船客定員2,524人,1987年竣工)とモナークMonarch(73,941総トン,船客定員2,744人,1991年竣工)の解体がすでに開始されている。同社のホライズンHorizon(46,811総トン,船客定員1,752人,1990年竣工)はギリシアで係船中だが,親会社ロイアル・カリビアンの幹部は解体を示唆した。伊コスタ・クルーズのコスタ・ヴィクトリアCosta Victoria(75,951総トン,船客定員2,394人,1996年竣工)は6月にジェノバの船舶修理業サンジョルジョ・デル・ポルトに売却され,海上ホテルになるとも伝えられたが解体の見通し。
このほか決定はいないが,船齢も古いため解体の可能性が大きい客船に,事実上経営破綻した英クルーズ&マリタイム・ボヤージ(CMV)のコロンブスColumbus(63,786総トン,船客定員1,800人,1989年竣工),アスターAstor(20,606総トン,船客定員578人,1987年竣工)など6隻がある。さらに独FTIクルーズのベルリンBerlin(9,570総トン,船客定員412人,1980年竣工)は親会社の事業整理で運航を停止し,売却先を探している。
(CARNIVAL CRUISE LINE)
(PULLMANTUR)