●フッティルーテンの「シー・ゼロ」計画 進捗

 ノルウェーのフッティルーテンは先頃,2030年までにゼロエミッション・クルーズ船の運航を目指す“シー・ゼロ”プロジェクト(Sea Zero Project)の最新状況を明らかにした。2022年10月の最初の発表からノルウェーのヴァルド社などと提携し開発されているもので,今は第2バージョンの段階。容量約60MWhの大型バッテリーを装備し,帆は当初の伸縮式から,すでにアリアン・ロケット部品の輸送船で実績のある「オーシャン・ウイングス」と呼ばれる起倒式システム3基に変更,二重反転プロペラ,格納式船尾スラスター,空気潤滑システム,ソーラーパネルも備え,エネルギー消費を40〜50パーセント削減できる。全長135メートル,船客500人。いわゆる「スマート・キャビン」を取り入れ,船客がアプリなどにより暖房や換気を自分で制御してエネルギー使用量を確認でき,持続可能性の意識が高まるという。

                            (HX)