●世界初のゼロエミッション・クルーズ船のイメージ

 カーボン・ニュートラルに向けた取組みが世界的に進む中,去る9月ノルウェーの新興クルーズ・ベンチャー企業ノーザン・エクスプローラーとポルトガルのウエスト・シー造船所は,世界初のゼロエミッション・クルーズ船の建造について基本合意書(LoI:Letter of Intent)を交わした。ABB(スイス)の水素燃料電池とバッテリーを組み合わせた電気推進システムを搭載し,補助的に風力や太陽光発電も利用,排ガスなしの航行を可能とする。船客定員は250名で,デザインはノルウェーのマルチ・マリタイム社が手掛けた。ウエスト・シー造船所のヴィアナ工場で建造され,2025-26年クルーズ・シーズン開始時期の引渡しを目指している。同所ではミスティック・クルーズの探検船ワールド・エクスプローラーWorld Explorerクラスを連続建造しており,去る10月にその4番船が竣工した。

                                                                (MULTI MARITIME)