●宗谷や青函連絡船を認定 第7回ふね遺産
日本船舶海洋工学会は第7回ふね遺産を認定し,7月に発表した。今年認定したのは「南極観測船宗谷」(船の科学館/東京都品川区),「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」(あおもりみなとクラブ/青森市),「青函連絡船摩周丸」(語りつぐ青函連絡船の会/函館市),「新愛徳丸」(愛徳,JMU,日本舶用工業会),「サン・ファン・バウティスタ」(サンファン号保存を求める世界ネットワーク/石巻市),「船舶航海性能試験水槽」(東京大学)で,所有者等に認定書などを贈る。宗谷は昭和期の南極観測船の嚆矢として,八甲田丸と摩周丸は戦後第2世代の青函連絡船の先駆けとして認定された。また,新愛徳丸は機主帆従方式の日本初の低燃費船,サン・ファン・バウティスタは江戸初期の遣欧使節派遣に用いられたわが国建造の唯一の洋式帆船,船舶航海性能試験水槽は世界初の耐航性・操縦性実験用角水槽でこの3件は現存していない。「ふね遺産」は歴史的で学術的,技術的に価値のある船舟類,関連設備を認定して社会に周知し,文化的遺産として次世代に伝えるために同学会が発足させた事業で,5月に審査委員会が開かれた。
(編集部)