●政府・与野党が病院船の導入を検討へ
新型コロナウイルスの感染拡大により,病院船の必要性が叫ばれ,加藤厚労相や河野防衛相が建造を検討する意向を表明。これを受けて与野党の国会議員による「超党派災害医療船舶利活用推進議員連盟」(額賀福志郎会長)が発足,2月27日に設立総会を開いた。今国会で既存船の活用を含む病院船の整備や医療体制の構築などを求める法案提出を目指している。他方3月3日には,2011年発足の「病院船建造推進超党派議員連盟」(衛藤征士郎会長)が7年振りに総会を開き,会の名称を「病院船・災害時多目的支援船建造推進議連」に変更するとともに,早期建造を求める要請書をまとめ,5日に菅官房長官に要請した。それによれば,大きさは35,000総トン,全長約200メートル,幅約30メートルで,太平洋側と日本海側に各1隻を配備し,全国の沿岸部に24時間以内に到達するため最高速力を25ノットとする。定員1,000人で,患者用ベッド250床を含む500床を整備し,感染症に対応できる個室を設けるほか,ヘリコプター2機(発着甲板4基),ホーバークラフト1隻も搭載する。建造費は1隻250億円で,2023年の完成を目指す。