●新しい大型船構想に関する情報について

 一部メディアより,海上保安庁の新型船を巡る情報が報じられている。これらによれば,構想中の新型船は総トン数約30,000トン,全長約200メートル,ヘリコプター3機搭載,複合艇など搭載艇多数,乗員のほか市民1,500人程度を乗船させるスペースを確保し,警備活動での指揮船機能や洋上基地として他の巡視船に対する補給機能などを備えるとしている。

 近年,海上保安庁は尖閣周辺の領海警備に加え,有事における国民保護活動での住民輸送を重視していることを踏まえると,多数の住民を輸送可能な大型船の整備構想は現在の動向と符合する。

 ただし,尖閣周辺などの領海警備活動を重視した“れいめい”型(ヘリコプター1機搭載型,総トン数約7,300トン)や警備能力に加え災害対応や巡視船艇への現地支援機能などの多用途性を重視した“しゅんこう”型(ヘリコプター2機搭載型,総トン数約6,742トン)など現在整備が進むPLHと比較するとあまりにも大型であることから,これから各種の検討が進むものと思われる。