●新しい捕鯨母船「関鯨丸」竣工

 下関の旭洋造船で建造されていた共同船舶の新捕鯨母船が,3月29日に引き渡された。昨年引退した日新丸(3代。8,145総トン,1987年竣工,元トロール船筑前丸)の代船で,70トンの揚鯨能力を備え,クジラ解剖甲板を船内に設けて衛生環境を強化したほか,40個積載できる容量20トンの冷凍コンテナは,舷側に設けたサイド・ランプによりトレーラーでの搬出入を可能にした。連続航海日数は約60日,航続距離は約7,000浬(速力12.0ノット)で,主に北西太平洋で捕鯨に従事するが,南氷洋にも進出できる航続力を備える。9,299総トン,3,514重量トン,全長112.6メートル,幅21メートル,深さ14メートル,満載吃水5.2メートル,主機ディーゼル・エレクトリック(6EY22ALW型ディーゼル4基,推進電動機2基),2軸,推進出力3,942馬力(2,900キロワット),最高速力15.9ノット,航海速力12ノット,乗員100名。捕鯨母船が新造されたのは1951年の日新丸(2代。16,777総トン,川崎造船所建造)以来73年振りであった。

                          (共同船舶)