●日本初 メタノール燃料内航タンカー建造決定

 商船三井および商船三井内航など6社は3月23日,わが国初のメタノール内航タンカーの建造を決定したと発表した。前2社と田渕海運(大阪),新居浜海運(新居浜),村上秀造船(今治市伯方島),阪神内燃機工業(神戸)の6社は,昨年3月よりメタノール燃料内航タンカーの開発で提携しており,2022年12月28日,同船を共同保有する3社(商船三井内航,田渕海運,新居浜海運)と村上秀造船が建造契約を締結,今回の発表に至った。村上秀造船グループのカナサシ重工(清水)で建造され,2024年12月に竣工予定。約570総トン,全長約65.5メートル,幅10.0メートル,吃水約4.38メートル,主機に阪神内燃機の舶用メタノール・エンジンLA28M型1基を搭載し,航海速力11.15ノット以上。保有3社から新居浜海運に裸用船され,さらに田渕海運を通じ商船三井内航が定期用船,三菱商事との契約で国内メタノール輸送に従事する。田渕海運と系列の新居浜海運は配乗と船舶管理を担当,商船三井は本船開発の技術面のサポートなどを行なう。メタノール燃料により重油比でSOx最大99パーセント,NOx最大80パーセント,粒子状物質(PM)最大95パーセント,CO2最大15パーセントの排出削減が見込め,eメタノール(回収CO2と再生可能エネルギー利用の水素で生産)やバイオメタノールの活用により,ネットGHG排出量の一層の削減が可能になる。

                         (商船三井)