●日韓航路「クイーン・ビートル」浸水隠し運航

 トリマラン型高速旅客船クイーン・ビートル(2,582総トン,船客定員502人,2020年竣工)が浸水を把握しながら運航を続けたとして,8月13日から運航を停止した。再開目処は立っていない。親会社JR九州は9月3日,外部有識者による第三者委員会を設置した。今回の浸水では,2月12日に船首部で浸水を確認したが九州運輸局への報告や修理をせず,浸水警報が作動しないようにセンサー位置を移動して運航を継続。浸水量増加により5月30日に初めて九州運輸局に報告し,運航を停止した。この間3カ月以上浸水を放置し隠蔽していた。修理後の7月にいったん再開したが,8月の国交省抜打ち監査で乗員への聞取りから未報告が発覚,社長の事情聴取で隠蔽を確認し再停止となった。JR九州はJR九州高速船の社長を降格した。なお同船は2023年2月,船体亀裂による浸水があったにもかかわらず検査せずに運航して国交省から行政処分を受け,同年7月に改善報告書を提出したが,その記載事項は遵守されなかった。また今年1月にも浸水があり一時運休し入渠していた。

                           (JR九州高速船)