●旭タンカーが世界初のゼロ・エミッション・タンカーを建造

 内外航タンカー運航の旭タンカーは3月27日,電気推進による世界初のゼロ・エミッション・タンカー2隻の建造を決定したと発表した。本誌昨年4月号(第897集)で紹介した「e5」のデザインを採用,2022年3月~2023年3月に竣工し,舶用燃料供給船(バンカー船)として東京湾内で運航する予定。動力源は大容量リチウム・イオン電池で,CO2,NOx,SOxおよび煤煙排出のないゼロ・エミッション化と,騒音/振動抑制による乗員や港湾周辺環境への負荷低減に配慮した船となる。また各種自動化設備やIoTなどのデジタルツールの採用により,乗組員の船内労務軽減と運航効率向上を実現する。イラストはそのイメージ図で,地味なバンカー船であることから歌舞伎の隈取をアレンジし,ひと目で分かる,内航業界を盛り立てる,日本発で世界一の船をつくりたい,の3点をキーワードにしている(実船への採用は未定)。約499トン,全長62メートル,幅10.3メートル,吃水4.15メートル,タンク容量約1,300立方メートル,バッテリー容量3,500キロワット時(kWh),速力約11ノットで,アジマス推進器を2基装備。

                       (旭タンカー/e5ラボ)