●海上保安能力強化に関する方針を決定
政府は12月16日,「海上保安能力強化に関する方針」を関係閣僚会議で決定した。これは厳しさを増すわが国周辺海域を取り巻く情勢を踏まえて,海上保安能力の強化の基本的な考え方を示したものである。
強化すべき能力は以下のとおり6つが挙げられている。
①新たな脅威に備えた高次的な尖閣領海警備能力(巡視船の整備等)。
②新技術等を活用した隙のない広域海洋監視能力(無人航空機の活用等)。
③大規模・重大事案同時発生に対応できる強靭な事案対処能力(テロ対応能力等)。
④戦略的な国内外の関係機関との連携・支援能力(防衛省・自衛隊や各国海上保安機関との連携)。
⑤海洋権益確保に資する優位性を持った海洋調査能力(測量船や測量機器等の整備・高機能化,データの管理・分析等)。
⑥強固な業務基盤能力(人材確保・育成,サイバーセキュリティ対策等)。
これらを実現するため,令和9年度(2027年度)には海保の当初予算額を,4年度の水準(2,231億円)からおおむね1,000億円程度増額することも明記された。