●電気推進船「ROBOSHIP」のデザインを内航船に導入
e5ラボと三菱造船は12月14日,標準ハイブリッド電気推進船“ROBOSHIP”(ロボシップ)のデザインを,本田重工が建造する499総トンのバイオマス燃料運搬船に提供することで合意したと発表。本船は同日e5ラボ,上組,関西電力の3社が導入合意を発表した相生バイオマス発電所への燃料輸送用電気推進船に当たる。“ROBOSHIP”はプロペラ,モーター,蓄電池,発電機など電気推進関連ハードウェアと,これらの制御ソフトウェアをパッケージ化したもので,749総トンの貨物船まで導入が可能。ディーゼル主機に代え大容量蓄電池と発電機,モーターによるハイブリッド推進システムを装備し,ツインスケグ船型による推進出力低減(従来船比20パーセント以上)により航行中のCO2排出を削減。さらに荷役,離着桟などオペレーション時にCO2フリーを実現する。発電燃料を水素,アンモニア,バイオ燃料などに替えれば全オペレーションでCO2フリー化も可能である。騒音・振動の低減による船内の快適性向上,主機メンテナンスの削減など船員の作業負荷も低減できる。本田重工が旭タンカー向けに建造し,2023年4月引渡し,5月から相生バイオエナジー発電所向けバイオマス燃料運搬に従事する。“ROBOSHIP”の普及により,将来的には内航船業界のCO2排出量削減と,船員の作業負荷軽減が可能になる。
(三菱造船)