仮想化イージスとPAC-3 MSE で迎撃試験

 ロッキード・マーチンは5月20日に,ホワイト・サンズ・ミサイル試験場で
実施したPAC-3 MSE(Missile Segment Enhancement)弾道弾迎撃ミサイルの試
射について発表した。
 本来,PAC-3 MSEは専用のトレーラー発射機を使用するが,今回の試射では
艦載用のコンテナ型発射機Mk70 PDS(Payload Delivery System)を使用,指
揮管制にはイージス武器システムを仮想化したVAWS(Virtualized Aegis
Weapon System)を使用した。
 これらの組合 せは初めて用いられたもので,PAC-3 MSEは巡航ミサイル標
的の迎撃に成功した。
 VAWSは,アーレイ・バークArleigh Burke級駆逐艦で導入が始まっている仮
想化システムとは別物で,イージス武器システムの頭脳にあたる部分を仮想マ
シンとして切り出し,可搬式の小型コンピューターで動作させる仕組み。イー
ジス艦の現物を持ち込めない,たとえば内陸部の陸上で実施する試験に際し
て,イージス武器システムの頭脳は欲しいといった場面で登場する。