米FFG(X)に良いニュースと悪いニュース
フィンカンティエーリ傘下のマリネット・マリーンは米海軍シー・システム
ズ・コマンド(NAVSEA)から,コンステレーションConstellation級フリゲイ
トの詳細設計・建造について,オプション契約分を10億4,453万ドルで受注し
た。5,6番艦(FFG-66,67)が対象で,契約期間は2030年4月まで。
このうちFFG-66について,5月24日にニューヨーク艦隊週間の席で,ハミル
トンHamiltonと命名することが明らかにされた。財務長官を務めて,米コース
ト・ガードを創設したアレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)に
ちなむ命名。
そのコンステレーション級では,すでに報じられている建造工程の遅延に加
えて,重量超過の問題が露見している。米会計検査院(GAO)の報告書による
と,10パーセントの重量増加が発生して,将来の能力向上に備えて確保してい
たマージンを食い潰しているとのこと。それを受けて海軍では,昨年12月から
審議を実施しているほか,速度性能に関する要求引下げの検討をしていること
も明らかにした。
スケジュール遅延の原因は,リードシップを米海軍の生残性要求に合わせて
改設計する作業に手間取ったことに加えて,設計が確定する前に鋼材切出しを
始めてしまい,その後の設計変更に伴う手戻りが発生していることが挙げられ
ている。さらに,建造所のマリネット・マリーンが従業員を確保するのに苦労
しており,他の艦艇建造プログラムから従業員を配置転換する事態になってい
る。