●令和4年度補正予算における新造練習船の概要
12月2日に成立した海保所管の令和4年度補正予算の概要については2023年1月号で紹介したが,同予算で増強分として新造される練習船の特徴が明らかになった。
事業名は「ヘリコプター搭載型巡視船(練習船)」で,総事業費は186億円(同補正予算では55億円を計上),引渡しは令和8年度の予定である。ヘリコプター搭載施設および同甲板を有し,兵装として40ミリおよび20ミリ機銃を装備する。
総トン数は現時点では明らかではないが,公表されたイメージ写真に約6,000総トンのヘリコプター巡視船“みずほ”(PLH-41)が用いられていることや総事業費の金額から,相応の大型船となる見込みである。本船は高い実習能力に加え,海上保安業務の遂行に必要な船体性能(耐航性,長期行動能力など),昼夜を問わない広域的な監視採証能力,制圧能力,意思伝達能力,情報処理能力などを備えるとされ,学生や海上保安官に対して,より実践に近い実習・訓練を行なうことができる能力を持つという。
なお,これとは別に,同補正予算案では増強分として「ヘリコプター搭載型巡視船(PLH型)」(6,000トン型)1隻(総事業費203億円,令和8年度引渡し予定),「大型巡視船(PL型)」(3,500トン型)2隻(総事業費333億円,令和8年度引渡し予定)などの整備費の一部を計上している。