●フランスが開発した「ソリッドセイル」を搭載! 帆走のRORO貨物船とラグジュアリー客船 建造へ
仏アトランティーク造船所が開発した帆走装置「ソリッドセイル」を備えるRORO貨物船とラグジュアリー客船が建造されることになった。この装置はアコーデオン式折畳み構造を持つ複合材料の帆を,360度回転する高さ80メートル程度のマストに取り付け,風向きなどに応じてセイル位置を最適に調整,高さ制限に対しては70度まで倒す機構を備える。エンジンとの併用で50パーセント以上のGHG削減が可能とされる。
◇RORO貨物船「ネオライナー」Neoliner
2021年に設立された仏ネオライン・アルマチュールが,フランスと北米間の北大西洋航路で2隻の運航を計画している風力推進RORO貨物船で,去る1月18日,1番船の建造が発表された。すでに昨年11月,トルコのRMKマリンと建造契約を締結,2025年半ばに竣工し,サン・ナゼール~ハリファックス/ボルチモア航路に就航する予定。全長136メートル,幅24.2メートル,吃水5.5メートルで,高さ76メートルのソリッドセイル2基(総帆面積3,000平方メートル)を備え,航海速力11ノット,港内航行などのため補助エンジンおよび発電機とサイド・スラスター3基を装備する。
(NEOLINE/MAURIC)
◇ラグジュアリー客船「オリエント・エクスプレス・サイレンシーズ」Orient Express Silenseas
豪華列車で知られるオリエント・エクスプレスが運航するラグジュアリー客船で,去る1月12日,アトランティーク造船所とオリエント・エクスプレスの親会社であるアコー社(世界最大級のホテルチェーン)が2隻建造の合意書に調印した。22,300総トン,全長220メートル,船客定員108人とされ,船内には70~1,415平方メートルのスイート54室,レストラン2カ所,プール,スパ,マリーナなどを設ける。3基のソリッドセイル(総帆面積4,500平方メートル)とLNG燃料のハイブリッド推進システムを組み合わせ,環境に優しい運用となる。引渡しは2026年3月で,未命名の2番船は2027年9月の予定。
(ORIENT EXPRESS)