■「いなづま」の座礁事故の調査結果を公表
5月9日,海上自衛隊は,本年1月10日に修理後の公試運転中の護衛艦“いなづま”が,周防大島沖のセンガイ瀬で座礁した事案についての,調査結果を公表した。
これによると,座礁の原因は,①艦長の指揮監督不適切,②哨戒長および航海指揮官の知識・技量および安全意識不十分,③ブリッジ・リソース・マネジメントの機能不全,④不適切な安全管理としており,いくつも重なった人為的ミスが,今回の事故を引き起こしたと結論している。なお事故によるけが人はなかったが,ソナー,プロペラなど,艦首から艦尾に至る船体下部の広範囲の部分が損傷し,その修理にかかる概算費用は約40億円と見積もられ,修理には数年を要すると見込まれる。
これを受けて酒井海幕長は,同日の記者会見で,艦長の指揮監督の不適切さが事故の大きな要因と指摘し,今後,艦長を養成するプロセスを再検討するなどの,再発防止策について言及した。