●実現するか 往年の定期客船「ユナイテッド・ステーツ」再生案
フィラデルフィアで係留管理されているユナイテッド・ステーツUnited Statesについて,去る11月2日,新再生計画が発表された。それは本船をハドソン川に係留し,ホテル,飲食施設,イベント会場や博物館を含む複合施設とするもので,ニューヨークの大手不動産開発会社RXRとホテル管理会社MCRホテルが共同策定した。実現すればハドソン川ウォーターフロントの保護と活性化,雇用創出,巨額税収増の可能性が指摘されている。背景には現在の桟橋使用料がコロナ禍で予告なく2倍に値上げされ,過大な負担で同船が撤去の危機に瀕していることがある(現在訴訟中)。策定した2社は実現可能性調査や財務分析なども実施し,ニューヨーク以外でも地域活性化の手段になりうることを提唱しているが,かつてさまざまな再生案が発表されたもののいずれも実現しなかった経緯があり,今後の成り行きが注目される。
(SS UNITED STATES CONSERVANCY)