米空母ステニスのRCOH遅延と関連問題
米空母ジョンC.ステニスJohn C. Stennis CVN-74は2021年から炉心交換・包
括修理(RCOH:Refueling and Complex Overhaul)を実施しており,2025年8
月に完了する予定だった。しかし2025会計年度の予算文書において,スケジュ
ールが14カ月延びて,作業完了が2026年10月にずれ込むことが明らかにされ
た。
遅延の主因は,COVID-19のパンデミックに起因する人員・資材の不足。先に
RCOHを実施していたジョージ・ワシントンGeorge Washington CVN-73も,同じ
事情から工程遅延に見舞われた。
なお,米空母のRCOHを実施しているのはハンチントン・インガルス(HII)
のニューポート・ニューズ造船所だが,ここでは乗組員の生活環境に関する問
題が持ち上がっている。艦がRCOHを実施している間も乗組員はいるが,乗組員
向け駐車場の中には造船所から離れた所もあり,その場合にはバスで移動する
必要がある。その関係で,時には勤務が朝の4時から夜の6~7時に達するこ
ともあるという。海軍が2023年に実施した調査では,空母が3隻いると7,500
台分ほどの駐車場が必要だが,造船所の徒歩圏内には3,300台分しかなかっ
た。
そこでようやく,乗組員の生活環境改善のために手を打つことになり,2号
ドックに近い39番ストリート沿いに2,000台分の駐車場を新設する(それで
も,空母が使用する1号ドックからは1キロぐらい離れている)。供用開始は
2026年の予定。このほか,職場の近隣に24時間営業のスーパーマーケットを開
設して食事の入手をしやすくする手も打つ。(USNI News 2024/6/18など)