米原潜の建造遅延と建造基盤の動向

 ジェネラル・ダイナミクスの最高経営責任者(CEO)を務めるフェイビー・ノヴァコヴ
ィッチ氏は,傘下のエレクトリック・ボート部門(GDEB)で建造している戦略原潜と攻
撃原潜について,サプライチェーンの問題から建造工程が遅れていることを明らか
にした。
 新型戦略原潜の1番艦ディストリクト・オブ・コロンビアDistrict of Columbia
SSBN-826は,2027会計年度に納入して2030年に初のパトロール航海に出る予定だ
ったが,現在では納入は早くても2028会計年度にずれ込む見込みだ。納入が遅れ
れば初航海も遅れる可能性が出てくるが,米海軍のマット・サーモン氏は,同艦は
2030年に最初のパトロール航海に出るとしている。
 一方,GDEBのサプライヤーとして潜水艦のコンポーネント製造に参画しているオ
ースタルUSAは10月23日に,アラバマ州モービルの同社造船所で,新しい潜水艦モ
ジュール建造施設(MMF3)の建設工事を開始した。この新施設は,2026年の末に実
働可能とする予定。面積は369,600平方フィート(35,337平方メートル)。
 またジャクソンヴィルに拠点を置くBAEシステムズの艦艇造修部門はGDEBから,
ディストリクト・オブ・コロンビア級戦略原潜とヴァージニアVirginia級攻撃原潜で使用
するデッキ・モジュール製造に関する契約を受注した。(USNI News 2024/10/23,
同2024/11/15,Austal USA 2024/10/23,Naval News 2024/10/28)