MTUが潜水艦向けの新型機関を発表

 MTUブランドのディーゼル機関を手掛けているロールス・ロイスのパワー・システ
ムズ部門は10月30日に,潜水艦向けの新型ディーゼル機関MTU 20V4000U83を発
表した。開発の背景として,電力所要の増大や,新型蓄電池の出現による急速充電
の必要性を挙げている。
 既存のMTU 4000シリーズを基にして潜水艦向けに手直しを実施,発電機を直結
した構成。機関本体のレイアウトは,従来の潜水艦向けモデルから8気筒増したV型
20気筒。既存のMTU4000シリーズV型20気筒モデルの出力レンジは3,000~4,000kW
程度なので,MTU 20V4000U83も同クラスと思われる。
 MTUでは,この機関が2基あれば,従来型機関3基と同じ能力を発揮でき,また
NautIQ自動化システムにより,潜水艦オペレーションの統合制御が可能だとしてい
る。(Rolls-Royce 2024/10/30)
 なおMTU 20V4000シリーズは,スペイン海軍のF-110型ことアルミランテ・ボニファ
スAlmirante Bonifaz級フリゲイトの発電機でも用いられる。そのディーゼル発電機に
加えて,主配電盤,燃料清浄モジュールを対象として,バージ(Shock Test Vehicle
STV02)を用いる耐衝撃試験が10月31日にスコットランドのライムヒロックで行なわ
れた。(Navantia 2024/11/14)