■新型輸送艦「ようこう」進水

 11月28日,令和4年度計画による新型輸送艦“ようこう”(艦番号LSV-4101)が,内海造船瀬戸田工場で進水した。本艦は陸上自衛隊予算で整備を進めている「中型級船舶(LSV)」の1番艦で,建造費は53億7,900万円。一足早く10月29日に同造船所で進水した「小型級船舶(LCU)」の1番艦“にほんばれ”(先月号本欄参照)と同様,6年度末に自衛隊に引き渡され,陸海空三自衛隊の共同部隊として呉地区に新編が予定される自衛隊海上輸送群(仮称)に配属される。

 基準排水量約3,500トン,載貨重量約1,700トン,全長約120メートル,幅約23メートル,吃水約4メートル,速力約15ノット,乗員約40名。艦首にバウ・ドアとランプを持つ“にほんばれ”と異なり,本艦は船体の右舷前後に跳ね上げ式のランプウェイ(歩板装置)を持つRORO式船で,ビーチング能力は持たず,車両や物資などの揚降にはある程度の港湾設備が必要とされる。建造所の資料によると,多層構造の居住区前方に貨物倉,居住区下方に車両通路を有する。艦首は球状型,艦尾はシャフト・ブラケット型で,減揺装置として,船体形状に合わせたビルジ・キールを装備する。地方の小規模な港湾などでの操船性を高めるため,艦首吃水線下にバウ・スラスター(推力5トン)1基を装備する。