■海自部隊の中東派遣を閣議決定

 12月27日,政府は中東海域における日本関係船舶の安全確保のため,護衛艦1隻とP-3C哨戒機1機を派遣することを閣議決定した。最初の派遣護衛艦として,第2護衛隊群第6護衛隊(横須賀)の“たかなみ”が選ばれ,P-3Cについてはソマリア沖のアデン湾で海賊対処に当たっているものを活用する。“たかなみ”の出港は2月上旬を予定している。

 部隊派遣の目的は情報収集だが,不測の事態が発生した場合は,武器の使用が可能な海上警備行動が発令される。派遣海域はオマーン湾,アラビア海北部などの公海が中心となり,ホルムズ海峡は除外されている。訓練などの準備期間を含む活動期間は,令和元年12月27日から令和2年12月26日までの1年間で,必要に応じて延長される。

 なおアメリカを中心とする有志連合は,中東海域の航行の安全確保を目的とする「センチネル」作戦を実施しているが,わが国はこれに参加せず,情報提供のかたちで意志の疎通や連携を行なう方針である。

 1月10日,河野防衛大臣は中東海域への派遣と情報収集活動の実施命令を発出した。