●客船の感染対処について日本クルーズ&フェリー学会が提言
日本クルーズ&フェリー学会(会長梅田直哉大阪大学教授)は,今回のダイヤモンド・プリンセスの新型コロナウイルス禍に対応して,船内換気について勉強会を実施し,エアロゾル感染と空気感染に対する提言を発表した。それによれば,2010年以降の建造船ではファンコイルユニット方式など船室が独立空調とされており,換気系統への配慮(①感染発生時に吸排気口にHEPAフィルターを装備しバイパスラインを経由させる。②感染者の船室は排気風量を増やして陰圧とする。③非感染者の船室は新鮮空気量を増やして陽圧とする)によって拡大防止に効果的。一方,2010年代以前の建造船で船室が独立空調でない場合は船内循環の排気リターンラインを遮断する方法が必要で,このケースで感染者が出た際には感染者を船内病院併設病室に隔離し,すべての船室の排気リターンラインを乗員が速やかに遮断する方法が有効,などとなっている。