●NSU内航がハイブリッド内航石灰石船を建造

 NSユナイテッド内航海運,日本製鉄,日鉄セメント,常石造船など6社は9月30日,NSU内航の保有する石灰石運搬船下北丸(4,483総トン,1994年竣工)の後継船を,LNG専焼主機とバッテリーを組み合わせたハイブリッド推進システム船とすることで合意し,輸送契約覚書,建造契約などを締結したと発表した。新船は約5,560重量トン,全長93.8メートル,幅18.2メートル,深さ9.9メートルで,常石造船で建造され,2024年2月初旬に竣工し,尻屋岬港~室蘭港で石灰石輸送に従事する。主機に国内初のLNG専焼主機である川崎重工製8L30KG型ディーゼルと2,847kWhのリチウム・イオン・バッテリーを搭載,LNGのみで通常航行し,入出港時や停泊時はバッテリーによる運航と電力供給でゼロ・エミッションを実現する。これによるCO2排出削減効果は,従来の同型船に比して23.56パーセント(常用出力時約30パーセント)となり,SOx排出はほぼなく,NOx排出は3次規制値を大きくクリアする。イラストは推進システムのイメージ図。日本製鉄が開発した7パーセント・ニッケル鋼板を舶用LNGタンクに初めて使用する。

                            (常石造船)