●三菱造船が液化CO2輸送について商船三井,日本郵船と協働
三菱造船と商船三井は去る11月,協働していた液化CO2輸送船(LCO2船)のコンセプトスタディを完了したと発表した。三菱のLPG船,LNG船建造技術と商船三井の船舶運航の知見を統合し,最も有効で実用的とされる複数船型を想定,輸送量に柔軟に対応可能な50,000立方メートル前後までのカーゴタンク容量と異なるタンク圧力を考慮した。商船三井では今後,引き続き難易度の高い大型LCO2船やバラエティのある船型の検討に取り組む。低・脱炭素社会の実現手段として注目されるCCUS(Carbon dioxide Capture Utilization and Storage)は,2070年までの累計CO2削減量の15パーセントを担うとされ,LCO2船はCCUSバリューチェーンの中で回収液化されたCO2を,貯留地と有効利用地間で効率的に輸送する重要な手段となる。一方で三菱造船と日本郵船は同9日,CCUSバリューチェーン参画に向け,中小型船のみならず世界的に需要拡大が見込まれる大型船によるCO2輸送技術を共同開発することで合意したと発表。両社は相互補完となる強み・知見を活用し,CCUSバリューチェーン構築に必要なLCO2船を含む各種技術の開発に尽力する。
(商船三井/日本郵船/三菱造船)